社会人17年目 公園デザイナー
夢のある仕事がしたい  はじめて会う人と、なにげない会話から普通にお互いに自己紹介などがはじまり、たいてい「お仕事はどんなことをされているのですか?」という会話になる。で、私はその問いに答え、自分の職業を明かすと「へぇ、夢のあるお仕事ですねぇ。」とたいていの人は笑顔で言ってくれる。  そんな私の職業は…、公園遊具デザイナーです。厳密に言うと遊具だけでなく、ベンチから注意板の文面、イラストまで公園に置いてあるものはなんでもデザインしています。ようは公園器具なんでもデザイナーです。  なぜ公園デザイナーになったのか?やっぱり夢のある仕事がしたかったからかなぁ。そもそも、この職業に就きたかったかというと、はっきり返事ができないかもしれない。就職活動で何社か受けたが、すべて違う職種の会社を受けたりしたし…。共通点は「夢のありそうな仕事ができそうな会社」という一点だけでいろんな会社を受けまくっていました。その中で私の思い浮かべる夢のある仕事にぴったりな、遊具デザイナーという仕事を就活中にみつけ、運よくこの仕事に就けたということなのです。  今、私はこの仕事に就いて15年たちました。遊具の環境も入社当時からいろいろ変わってきましたが、遊具で遊ぶ子ども自体はそれほど変わっていません。私は遊具を考える時はいつも、この遊具を使うであろう子どもたちの顔を思い浮かべます。設置公園が決まっていれば現地に行って子どもと話したり、遠い場所の公園ならなるべくいろんな情報をあつめ、最近ではネットを使って近所の小学校や幼稚園のHPを見て、子どもたちの顔を頭に入れ、このジャングル部分ではあの子はこんなことするかなぁ?この滑り台はあの子にはちょっと怖いかなぁ、でも挑戦させたいなぁ、と夢想しながら遊具のプランを立てています。まぁ、締め切り間際は悠長に夢想はできませんが…。  一番の楽しみは、実際に遊具が採用され、公園に設置し、子どもが新しい遊具に飛びつく姿!これはもう一言では説明できないくらいの快感!また、旅先で自分の作った遊具を見つけ、近づくと座面がすり減っていたり、手すりの塗料がはがれているなど、すごく遊んである跡が見られると、もーう、うれしいをとおりこした快感を感じます。  逆にイタズラされてたり、ほとんど使われてなさそうな遊具は心が痛みます。何がいけなかったかなぁって遊具の親の気分で悲しんでしまいます。  私は遊具とは別に、数年前からメインの担当は公園用の健康器具、それも高齢者向けの器具を開発しています。使う対象者は違っても、遊具と同じように夢想しながら製品を考えています。そして、完成し設置された器具の使い方を指導にいくと、高齢者が目をキラキラさせ製品に飛びつくさまは子どもと変わりません。で、同じく私がこの姿に快感を受けるのも変わらないのです。夢が現実になった快感ですね。私は多分この先もずっとこの快感を求め、公園に関わっていくと思います。公園に小さな夢を設置しつづけます。  竹下富美子 40歳
閉じる